雑魚エンジニアが脱サラを目指して迷走するブログ

頭が良く、絵心があり、驕らず、創造性豊かで、お金持ち。そういう人に私はなりてゃい。

SIer就職をオススメする理由としない理由

 前提として、元請け企業かそれに準ずる会社への就職とする。下請けをメインとする中小企業はお勧めしない。それは俺の勤めている会社に常駐している方々を見ていて、絶対にお勧めしないと言い切れるからだ。元請け企業も人不足であり、トップ企業を除いて入社難易度は低い(何より俺が入れたというのが証拠)。

 

オススメする理由

 SIerというとブラックなイメージを持たれがちだが、個人的には結構良い面もあると思う。まずは列挙していきたい。

 

・ITスキルが身に付く(運もある)

・長期タスク・時間管理能力が身に付く

・論理的なコミュニケーション能力が身に付く

・一般業務スキルが幅広く身に付く

 

SEはプログラミングが出来ないとか、Excel管理してるだけだとか、悪い面ばかりに着目されがちな気がするけれど、なんだかんだ最低限のITスキルを始めとして、幅広いスキルが身に付く仕事だと思う。

ITスキルという面では、中小規模の会社は別かもしれないが、それなりに大きい会社となれば、研修は月単位でガッツリやってくれるところが多く、アプリケーション~インフラの設計・実装までを浅く広く身に着けることができる。特に情報専攻をしていない人には物凄く役立つこと間違いなし。

またタスク・時間管理はどの職業でも必要となるが、ことSEにおいては数カ月~1年単位のタスクが同時並行で進むため、コスト感覚も含めてみっちり鍛えられる(鍛えないと死ぬ)。俺はADHD傾向も相まって、そういう面に関して下の下レベルの人間であったが、何とか人並みに時間意識を持てるようになってきた。

そして、システムの構築に当たっては、どういうものを作るのかという仕様を固めないといけない。そのために顧客とSEとの間で明確な意思疎通が必要だし、メンバー間での正確な情報の共有が必要不可欠である。そういう場面においては、論理的なコミュニケーションが出来ないとお話にならない。俺は生粋のバカ故に、まともなコミュニケーションが取れず、以前であれば先輩方から白い目で見られていた。しかし現在では後輩曰く説明がめっちゃ上手いらしいので、ひいき目に見ても人並みになりつつあるんだと思う。

まあこういった具合に、どんな職種でも必要となる一般業務スキル的なものを、やや高レベルで習得でき、かつITスキルも付いてくるという、なかなかお得な職場だと思っている。

 

オススメしない理由

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 さて、序盤でいいことを書き連ねてきたが、もちろん、、、もちろん!!!オススメしない理由も盛り沢山だ!!!まず書き連ねて行こう

 

長時間労働は当たり前(サビ残も普通)

マルチタスクで消耗する

・(上手くやるには)求められるスペックが高い

・ITスキルが身に付くかは運次第

・実装をする機会はあまりない

 

まず言わせてもらうと、SIerというのは基本的にブラック体質だということだ。俺がいる会社は、会社の口コミサイトでSIerとしてはそれなりの評価数と評価点を兼ね備えた、定義上の大企業だが、学生時代の友人たちと話す限りブラックと言って差し支えない。

先ず何より、長時間労働は当たり前である。22時帰り?至って普通。時には休日出勤も発生する。年次が上がれば上がるほど過酷さが増すかもしれない。商売なので、SIという仕事でもコストパフォーマンス(利益率)は最も重要視されるポイントの一つだ。しかしここに罠がある。

一般的なモノを売る商売であれば、概ね金額の決まった材料なり仕入れる製品なりがあって、それを概ね想定通りの手数をかけて出荷・納品することで、概ね予想通りの利益を上げることができる。しかしシステムを作るという仕事の原価(材料費)は何か?人間(SE、PG)の労働力である。納品する対象である設計書やプログラムは人間がパソコンに向かってカタカタやることによって作られるからだ。

しかし設計書にしてもプログラムにしても、最終的にどれだけ労働力が掛かるかは、終わってみなければわからない。お客さんからの要望が増えたり、単純に思ったよりも手数がかかったり、作ってみたら整合性が取れずに作り直したり・・・。しかし、最初に見積った工数と金額は絶対なので、予定よりも遥かに工数と金額が掛かろうとも、それが変わることは無い。ではどうやって帳尻を合わせるか?サビ残である。

こういったことも踏まえて、予定通りに事を進めるには、個人としてかなりのスペックを要するが、先輩方を見ても上手くやれている人は少数である(見かけ上は上手くやっていても、休日出勤やサビ残だらけ)。

そして実装能力を含めたITスキルが身に付くかは運次第だ。プログラミングや実際のネットワーク構築作業に当たっては、設計だけを自分達で行い、あとは下請け企業やオフショアに投げることが多い。ただし難しい部分など、社内にスペシャリストがいたりすると、(十分な利益が回収できるのであれば)自社で実装まで請け負うこともあるが、これは運次第。

俺はスペシャリストではないが、年次が低くて単価が安いということもあり、追加オプションや、設計書ありきでの実装が行いづらい部分などのPG・ネットワーク分野をしばしば担当している。これには先輩たちの仕事を嗅ぎまわるという、ある程度の努力と運が必要だ。

 

会社の選び方

 冒頭にも書いたが、下請けメインの会社は避けた方がいい。俺の会社に10年以上常駐している人も沢山いる。いい方は悪いが、それに見合ったスキルが身についているとは到底思えないのだ。某企業の某システムのPGしかやったことが無いとか、1言語のプログラミングとSQL以外にITスキルが無いとか、EXCEL設計書作成とテストしかやったことが無いとか。それが仮に自分だとして、例えば会社がつぶれた時、どうなるだろうか?想像したくもないだろう。

よって、出来る限り元請け企業を目指した方がいい。多くは定義上の大企業が対象となるだろうが、中には中小企業でも、コツコツと差別化を図り、独立してお客さんをサポートしているような会社もあるので、そういう会社を目指すのもいいだろう。むしろそういった企業の方が、企画・要件定義~実装までの全体的なスキルを身に着けやすいかもしれない。大企業の利点としては、研修や福利厚生が手厚いことと、そこそこの給与が見込めることだ。

さていかがだろうか。一長一短ある仕事かなと思う。今回はSIerに限った話であるが、IT業界にはもう一つ、Web系という選択肢もある。Webサイト、サービスを構築したりする会社だ。IT業界へ求職を希望していて、SIerしか見ていない人は、Web系にも一度は目を向けた方がいいだろう。最近の傾向としては、Webの方が人気はある。作るものはオシャレだし、服装もラフ(Webは私服である。SIerはカッチリスーツ)で、SIerほど労働環境も悪くない(らしい)。

ちなみに、データサイエンティストなんて選択肢もある。現在は母数が少ないので多少スキルが低くても、ある程度の報酬が見込めるんじゃないだろうか。時間があり、プログラミング初心者ならば、こういうサイト で学んでみるのもいいかもしれない。ちなみに、普通のIT系の参考書は、平均的に専門的なものを買えば軽く2000円を超える。

どこがいいかは自分でよく考えた方がいいだろう。お前はどうだって?受かるかはわからないが、近いうちにWeb企業へ転職するつもりだ。転職理由は、単なるITに対する趣向の違いである。前半で述べたように、SIerにはいい面も沢山ある。普通のサラリーマンを経験できたし、就職当時の俺では狙えない会社へも手が出せるようになった。個人的には就職してよかったかなと思うし、感謝している。SIerではまだ学びたいことがあるので、もう少々お世話になろうと思う。